Bスポット療法ってなに?
Bスポット療法とは上咽頭擦過療法(EAT)ともいわれ、上咽頭をこすって刺激する治療法です。
上咽頭は鼻とのどの境目、口蓋垂(のどちんこ)の後上方にあります。鼻の入口からや口を開けただけでは観察しにくく、ファイバースコープを使うと正確にしっかり観察できます。
呼吸した際の空気は、必ず上咽頭のある後鼻腔を通過するために空気中のほこりやばい菌が上咽頭に付きやすくなります。そのため、上咽頭が炎症を起こし、後鼻漏やのどの痛みの原因になります。
この場所には咽頭扁桃(アデノイド)というリンパ組織があり、小児期に肥大し、大人になると退縮してきます。ここは我々の免疫にとって重要な役割をしています。
大人になってもこの部分のリンパの流れは豊富であり、粘膜表層の血流も豊富です。
そして、この部分に塩化亜鉛などの薬剤を塗布する治療法をBスポット療法(EAT)と呼んでいます。当院では主として1%塩化亜鉛を使用しています。
原則のどから上咽頭に薬液を塗布擦過しますが、反射の強い方や大きく口を開けられない方には鼻から綿棒を入れて擦過することもあります。
上咽頭は免疫機能の要所である為、Bスポット療法で刺激することで様々な症状、疾患の改善が報告されています。
また、上咽頭を擦過することにより上咽頭の血流やリンパ流が改善し、さらには自律神経機能も改善すると考えられています。
当院ではBスポット療法は「学童から大人」まで治療しております。またこの治療法は上咽頭の局部のみの治療法ですので、授乳中・妊娠中の方も安心して治療を受けることができます。
新型コロナ流行期には、発熱や咳・ノドの痛みなど風邪症状のある方には、Bスポット療法を施行していません。ご了承ください。 もちろん風邪症状に対する治療は可能ですので希望される場合はご来院ください。
Bスポット療法はこんな症状に効果的
かぜの初期症状
- 鼻水がのどに流れていく感じ(後鼻漏)
- のどの違和感
- のどや鼻の痛み
- 鼻づまり
- 持続する微熱
- 咽頭炎(のど風邪)
- 鼻咽頭炎による頭痛
他に効果のある疾患として次のものがあります
これらは上咽頭のリンパ流や血流が改善することにより、病気の改善がみられると考えられています。
- 慢性頭痛
- 肩こり
- 浮動感(めまい)
- IgA腎症 など
Bスポット療法の注意点
- 炎症の強い人ほどしみるため、大変痛みを感じやすい治療となります。
但し、痛みを強く感じる人ほど炎症が強いので、症状がBスポット療法によって改善しやすいということも特徴的です。 - Bスポット療法では最初は強い痛みや出血が見られますが、炎症がおさまっていくにつれて、薬を塗った後の痛みや出血は改善していきます。
- 時々、治療直後は血の混じった鼻水や痰が出ますが、心配はいりません。
- Bスポット療法はあくまでも補助的な治療法ですので、対象となる疾患の本来の治療法は行った上で平行しながら行うほうが効果的です。
- 慢性的な症状の場合は通常週1~2回程度、8週間から12週間を目安に施行します。
後鼻漏やIgA腎症の場合は、効果がでるまでにより時間がかかる場合が多くみられます。 - Bスポット療法は万能の治療ではありませんが、著効するケースもあり、通常の治療で改善しない場合は試してみる価値はあると思います
新型コロナウイルス後遺症におけるBスポット療法(EAT)
新型コロナウイルスに感染後、3週間以上経っても、倦怠感や後鼻漏が続く場合、Bスポット療法が効果的な場合がありますので、お悩みの方は当院へご相談ください。
遠方の患者様で「当院のBスポット療法(上咽頭擦過療法)にご関心がある方」は継続通院の可否もありますので、一度お気軽にお電話でお問い合わせください。